「おう。 どうだ、カーティス」
 しばしの沈黙の後、ドノバンが聞いた。

 ここは、海図室。カーティスが1日の大部分を過ごす、彼の仕事部屋である。
 今、そこにいるのは、カーティスとドノバン、そしてエレナの3人だった。


  


 エレナ持参の黄ばんだボロい地図から、ようやくカーティスが顔をあげた。
「う〜ん、なかなか古い地図ですね。なんとも古代人の落書きというか……」
 エレナに悪びることなく、率直な感想を言う。
「そこに記されている場所に行こうと思っていたの。そこに私が探している
 『伝説の剣』があるそうなんだけど、1人じゃ行けそうになくて諦めかけて
 いたんだけど……」
「かなり遠い。しかも地図がおおざっぱで、だいたいの場所は見当つきますが、
 まぁ、あちこち港に立ち寄り、情報収集しながら進むのが無難でしょう。
 もちろん路銀の問題もある。そちらはダイクと相談ということで。航海日数は、
 未定ですね」
 そうカーティスが提案する。

 と、そこへ、扉が開かれ、グーリーが海図室に入ってきた。



「船長、部屋のほうの確認をお願いします」
「あぁ、わかった。 じゃ、エレナさん、俺はここで失礼します」
「えぇ」
 ドノバンは軽く頭を下げると、海図室を出て行った。
 グーリーはそのままそこに立っていた。
「エレナさん。昼には港につきますので、それまでごゆっくり」
「えぇ、ありがとう」
 エレナがグーリーに向き直り、笑顔で返事をする。
「それからカーティス、これはお前の投票用紙だ。夕方までに食堂にある箱に
 入れておいてくれ」
「あぁ、わかった」
 グーリーは、折りたたまれた1枚の紙を机に置くと、ドノバンの後を追うために
小走りに部屋を出て行った。
 エレナが不思議そうにその紙を見つめる。
「ねぇ、この紙ってなあに?」
「夕方まで秘密ですよ」
 地図に定規をあてて、距離を計算しながらカーティスはさらりと答えた。
 少しムッとするエレナ。
「みんな、なにか私に隠し事があるみたい。ヒソヒソ話をしてて、私が近付くと
 やめてみたり……ヤな感じ
「ははッ……そんなことないですよ」
「そんなことあるわよッ!!」
 エレナにビシッと言われ、カーティスは苦笑した。

「それじゃあ、あなたも隠し事はやめましょう」

「え……!?」
 ドキリとするエレナ。

 カーティスは作業の手を休めずに言った。


「隠し通せるとでも思ってるのですか。
エレナ・パカプカ。  ポポロクロイスのお姫サマ」


(しょ、正体、ばれてる……ッ!!)








ダカート号 GO! ゴーゴゴーッ!!


第2話

「ともに歩く、だからこそッ!!」






  


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