第9話3
「星に願いを。スターマン2010」





「そうだ! この世界の地図を見れば? こっちに地図があるよーー」

 と、アイナに案内されてアステールは海図室に入った。みんなでたくさんの地図を広げて
見ていると、ようやくカーティスが現れた。
「人の作業部屋でなにをしてるんですか?」
 ランバートに叩き起こされて、ちょっと不機嫌そうだ。しかも真夜中。眠そうに大きなあくびを
する。
 カーティスはちらりとアステールを見るとドノバンに向き直った。
「だれ??? 密航者ですか?」
「いやいや。空からやってきたそうだ、この人は」
 ドノバンが面倒そうに手を振り答える。エレナが話を続けた。
「彼はアステールさん。『世界は球体だ』って言ってるのよ。あなたの意見を聞きたくて」
 カーティスはあごに手をあてて、少し考えてから答えた。
「そりゃあ、世界は平らでしょう。丸だったら、下のほうはどうなってるんですか?」

「でも、普通は丸いんです。そして、この星は太陽を中心にしてまわっているんです」

 全員が思った。

 この人、いったい何を言ってるの!?




ダカート一家混乱中につき、

 エドガーの回る画像でお楽しみください。







 アステールは、壁にかかった地図を指差した。



「みなさんは、この地図の先になにがあるかご存知ですか?」
「さぁ……」
「そこが世界の終りなのか」
「はたまた、別の世界が広がっているのか……」
「そうですね。私にはその答えがわかりました。今日、この世界に降りてきて、あなたたちに
 出会えて本当に良かった。さて、そろそろ帰らないと」
 アステールは一人で納得すると、甲板に出た。
「ちょっと待ってよ! 世界は本当に丸いの? 世界の果てはどうなってるの?」
 エレナがアステールの後を追う。

「きゃああああああああ!!」

「どうしました、ボス!? ギャーーーーーーー!!」

 甲板に出たアステールの顔が……。

 でっかくなってるッ!!

  
「答えはあなたたちで見つけるべきです。
      それでは、みなさん、さよーーならーーーーーーー!!」
 
 プシューーーーーーーーーーーーーーーーー

 いきなり吹いた突風にみんなが身構える。
 そして風がやんだ後、甲板にはアステールの姿はなかった。
 
 みんなが空を見上げる。
 
 そこには星が1つ、キラキラとダカート号を見下ろすように輝いていた。

 全員が目をパチクリさせ、その場に立ち尽くしていた。
「なんだったんだ……」
「さぁ……」
「夢、じゃないよな……」
「たぶん、みんな同時に夢は見ないだろ……」
「ふふふッ」
 エレナが声に出して笑ったので、思わずドノバンは聞いた。
「なにがおかしいんですか、ボス?」
「え? だって、バファンの剣を見つけた後のことが決まったから」
 エレナは手をたたいた。
「みんなで世界の果てを目指すわよーーーーーーーッ!!」





   「……おいおい、だれかボスを止めてくれ。胃が痛い」

「楽しみですねーーー♪」



第9話
「星に願いを。スターマン2010」
おわり


  

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