第3話2
「ダカート号は、
えているかッ!」



「いきなりですが、即時投票・即時開票!
  機関室にもう1人、人を入れるべきだと思うに1票ッ!
「私も賛成です。2票目入りました」
「オレも賛成。3票目」



「この前、立ち寄った港で教えてもらった最新ギャグ『ルネッサ〜ンス♪』

   ドカッ  (※エドガー男爵が殴られた音)


 夕食時、いきなりのカーティスの提案に、クルー全員がざわめいた。
 もちろん、一番に噛みついたのはガストンである。
「なんでまた、そんなことを言いだすんだ!」
 カーティスが構わず、エレナとドノバンに話す。
「機関室に助手を正式に入れるべきです。おやっさん1人じゃ手が回らない
 こともありますし」
 突然のことに、エレナとドノバンが顔を見合わせる。
「カーティス! お前、ワシが信用できんというのか!? ワシはまだまだ
 やれるぞッ! 助手などいらんッ

「絶対に入れるべきです」
 怒鳴るガストンに、主張を変えないカーティス。
 一触即発のところにグーリーが割って入った。
「おやっさんのお相手で、トードがいっつもオレに泣きついて来るんですよ。
 トードにだって自分の仕事があるんだ。わかってください」
 グーリーの言葉に、全員の視線がトードに集まる。

 トードはゆっくりと手を挙げた。

「助手……サンセ〜! 4票目〜」

 ガーン

「う゛ッ!」

 いつも船倉で仕事をしているトードを強引に引っ張ってきて無理やり機関室の
手伝いをさせているガストンは、さすがに言葉を詰まらせた。
 エレナがなだめようと立ち上がった。
「そうねぇ……。でも、急にって話じゃないでしょう? エンジンのことはよくわからないけど
 私も出来るだけ手伝うわ。それで、いろいろ港に立ち寄って、いい人がいたら……」
「それがですね、ボス。こちらはもう助手に目星をつけてあるんですよ」
 ランバートが苦笑する。
「まぁ、そうなの!?」
「はやッ! 誰なんだ、それは!」
 エレナ、そしてガストンが目を丸くする。
 グーリーが夕食のお皿を端に退けて、テーブルに開いたスペースを作ると、
カーティスは海図室から持ってきていた地図を広げた。
 全員がその地図を見るためにテーブルに集合する。

    
「少し進路を変更することになりますが、ここにおやっさんの故郷があります」

「まさか……!」

 ガストンの顔色が変わった。
 ドノバンが納得したように手をポンッと叩いた。
「おぉ、アイナか!」
「そりゃいい考えなんだナ。おやっさんの助手にはぴったりなんだナ」
 ダイクもうなづく。
「ねぇ、『アイナ』って誰なの?」
 エレナのもっともな質問に、ドノバンが答えた。
「おやっさんの孫娘です。今は知り合いに預かってもらっているそうですが、
 本人は、えらく船に乗りたがってるそうですよ」
「まぁ、お孫さん!」

「ダメじゃーーーーーッ!」

 そう叫んだのはガストンだった。
「前から言っておるが、危険な海賊船にうちのアイナを乗せるわけには……」
 そう言いながら、ガストンは口をつぐんだ。
「あ、そうか」
「海賊船には乗せられなかった。でも、このダカート号はもう海賊船じゃねぇ!!」
 ドノバンに言われて、ガストンはエレナを振り返った。
「ボス……うちのアイナをこの船に乗せてもいいですか? お願いします!」
「ふふ。反対する理由はなさそうね。その島に向かいましょう!!」



「よし、決まり エドガー、取り舵いっぱい、出航だーーーー!
  いざ、ニャンニャンアイランドーーーーーーーーーーーッ!!!」

「ルネッサーーーンス♪」






    

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