第6話3
「 ル ナ 様 VS ダ カ ー ト 号 」
「いったーい。びっくりした。頭が割れたかと思ったわ!」
むくりとルナは起き上がった。
側にあるのは大きなイカリ。これが激突したのだ。……まぁ、よく死ななかったものだ。
ずっと上を見上げると、大型船が停泊していた。
「まぁ、人間ね! この海の妖精王の娘を不慮の事故に巻き込むなんて……」
ジャキーン
「ドリルで、船体の横っ腹に風穴開けてやるわッ!!」
ルナは、決行するため、船に近づいて行った。
かわって、こちらはダカート号。
「エドガーはいっつもトイレ長いッスよ〜!」
モンバとグーリーが大股で甲板に上がってきたところだった。
トイレの順番待ちをしていたのだが、エドガーが「う、うーん」とか言って、なかなか
出てこないので、痺れを切らした2人である。
「いいか、モンバ。海の男は何事も早くやらなきゃだめだぞ」
グーリーの言葉にモンバがうなづく。
「それにしても、エドガーはトイレが近すぎるッスよ。ランバートに診てもらったほうが
いいんじゃないッスか?」
「しかも長い……」
グーリーと、モンバは甲板の端の手すりの切れた場所で立ち止った。
「ここでするか」
「オイラもー♪」
ショボショボショボショボ……
……。
と、甲板から海へむかって豪快に立ちション。トイレを我慢していた2人は、
力が抜けたように、はぁっとため息をついた。
「おひさまの下での立ちションは爽快ッスね〜」
「ボスに見つかったら怒られるから黙ってろよ。よし、モンバ、手はちゃんと洗うぞ」
「アイアイサーーー」
……その真下に、誰かがいたとは、思いもしなかった2人である。
プカーーーーーーーー……
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